英会話をやらずに、独学で英語を話せるようになるには?
「英語を話せるようになりたいけど、オンライン英会話は金銭的・時間的にキツい…」
「英会話ができたらいいなと思うけど、いきなり英会話教室に行く自信はない…」
「今までTOEICの点数を独学で伸ばしてきたけど、スピーキング力はどうやって独学で伸ばせば良いのかな?」
こんなお悩み・疑問をお持ちの方に向けて、本記事では、
【オンライン英会話などに頼らず、話す力を独学で伸ばす学習方法】を解説します!
1. 【結論】英会話フレーズテキスト×独り言がオススメ
どんな学習でも、インプットとアウトプットの両方を行って初めて身に付きます。
学校の勉強を思い出してください。
授業を聞いたり教科書を読んだりする(インプット)だけで、問題演習(アウトプット)はしない。これでは学力は思うように伸びませんよね。
かと言って、何のインプットもせずに問題演習にいきなり取り組んでも、解けっこありません。
学習においては、インプットとアウトプットの両方が大事なのです。
もちろん英語のスピーキング学習でも同じ。
オンライン英会話などに頼らず、独学でスピーキング力を鍛えたいなら、
インプット → 市販の英会話フレーズがまとめられているテキスト
アウトプット → 独り言
がオススメです。
以下で、英会話フレーズテキストと独り言のそれぞれの学習効果と学習方法について述べていきます。
2. 英会話フレーズテキスト(インプット)
2.1 学習する効果
英会話フレーズテキストを学ぶ効果は、主に次の2点です。
①決まり文句を学べる
②汎用性の高い便利な表現を効率よく学べる
それぞれについて詳しく見ていきます。
2.1.1 ①決まり文句を学べる
突然ですが、次の日本語を英語にしてみてください。
「どうぞおかけください。」
お客様などに席を勧めるときに言いますよね。
どうでしょうか?英語で言えましたか?
一般的に使われる表現は、
“Please have a seat.”
です。
なんじゃその回りくどい言い方は!
“Please sit down.”
でいいだろ!
と、思ったあなた。私と気が合いますね。
でも、この表現は△です。直接的過ぎるんですね。
日本語でも、お客様に「座ってください」と言うのは少し乱暴な感じがします。
日本語も英語も、回りくどさが丁寧さを表すというわけです。
いわば、”Please have a seat.” は決まり文句と言えるでしょう。
この表現を知らずに、「どうぞおかけください」を”Please have a seat.”と訳すのは至難の技。
しかし、悲しいかな。
言語にはこういった「決まり文句」が大量に存在します。
英語を話そうとする以上、こうした決まり文句を覚えていくことが必要になります。
なんせ、その表現を知らなければ言えるわけがないのですから…
市販の英会話フレーズテキストには、こうした決まり文句のうち、良く使われるものがたくさん収録されています。
こうしたテキストの学習を通して、決まり文句をインプットしていく必要があります。
2.1.2 ②汎用性の高い便利な表現が効率よく学べる
英会話フレーズテキストを学習するもう一つの大きな効果は、英語を話すうえで重宝する表現を効率的にインプットできることです。
言葉にしたい感情や意図のバリエーションは、実はそれほど多くありません。
“I’d like to ~”や”It seems (that) ~”のような、よく使う表現があるのです。
英会話力を効率的に伸ばすためには、まずこうしたよく使う表現を身体に染み付かせることが大事。
英会話フレーズテキストは、こうした「重宝する表現」をちゃんと集めてくれています。
このため、話す力を効率的に伸ばすことが可能です。
2.2 学習の方法
英会話フレーズテキストを学習する効果を述べたところで、具体的な学習方法をご紹介します。
とはいえ、基本的にはテキストの「本書の使い方」(多くのテキストでは始めに書いてある)に従えば良いです。
そこでここでは、どんなフレーズテキストを用いる場合でも重要となる以下の2点について述べます。
①テキストは何周も繰り返し学習する
②フレーズは必ず音読する
月並みですが、この2点はとても大事です。
「そんなの分かってるよ。分かってるけど、なかなか継続できないし、思うように力も付かない。だから大変なんじゃないか!」とお思いかもしれませんね。
たしかに、漠然とテキストを何周しても、漠然とフレーズを音読しても、思うように話す力は伸びません。
貴重な時間を捧げて勉強しているのに、なかなか話せるようにならないのはツラいですよね。
結果、挫折します。
逆に言えば、学習の意図をちゃんと把握して、正しい意識を持って学習に取り組めば、学習した分だけ話せるようになります。
成長を感じられるから、挫折もしにくくなります。
続けるから、もっと話せるようになります。
気付いたら、英語を話すことに何の抵抗も恐怖も感じなくなっているかも。
本当に大事なのは、学習の「なぜこうやるのか」と「何を意識してやるのか」を知ることなのです。
ということで、
①テキストは何周も繰り返し学習する
②フレーズは必ず音読する
の2点について、「なぜこうやるのか」と「何を意識してやるのか」を以下で解説します。
2.2.1 ①テキストは何周も繰り返し学習する
なぜこうやるのか:
学んだフレーズが会話で口から出てくるには、そのフレーズが「体に染みついている」状態になっていないといけません。
何かを体に染みつかせる唯一の方法は「繰り返し」。
スポーツでも、毎日のように同じ練習を繰り返して初めて試合でできるようになります。
同じように、英会話フレーズテキストも何周も繰り返さなければならないのです。
何を意識してやるのか:
「この表現を自分で使うぞ」という意識を持つか持たないかで、フレーズの吸収率がかなり変わります。バカみたいな話ですが、少なくとも私の経験上はそうです。
TOEICや受験英語の勉強と違い、最終的に「自分で使う」ための学習であることを忘れないように。
テキスト中の例文の日本語を見たら会話するようなスピードで英語が出てくる。この状態を目標に学習します。
2.2.2 ②フレーズは必ず音読する
なぜこうやるのか:
音読することには次のような多くの効果があります。
- 最終的に実際に自分でそのフレーズを口にする予行演習になる。
- 音読すると記憶定着度が段違いに上がる。
- 実際に口にすると意外と滑らかに言えない部分に気付ける。
実際に声に出すことで、学習効率が大きく高まるのです。
何を意識してやるのか:
「面倒でも声に出す」ことを意識しましょう。
実際にやってみるとよく分かりますが、音読するのはめんどくさい!
これは、ただ黙読するのに比べて、話すことに多くの脳活動が必要となるからです。
裏を返せば、黙読するだけでは、話すための練習としては不十分だということ。
ペーパーテストを解くための学習と違い、最終的に話すことを目的にした学習ですから、声に出す作業は省略しないようにしましょう。
では、電車内等の「声を出せない」環境で学習したければどうすれば良いのでしょう?
そんなときは、超小声での音読をしましょう。声は出てるか出てないかのレベル。口もほとんど動かさなくてよいです。
私の経験でしかありませんが、この超小声の音読でも、やるかやらないかで学習効果が変わります。
3 独り言
3.1 英語で独り言とは
ここでの「独り言による学習」というのは、生活の中で自分が使った日本語を、英語にしてつぶやくことです。
「最近ちょっとお金使いすぎだな」のような本当の独り言でもいいですし、「今少しお時間よろしいですか?」のような実際に自分が発した言葉でもいいです。
それを”I’ve spent too much money recently.”や”Could you spare me a few minutes now?”のように、自分で英語にして独り言としてこっそり声に出します。
3.2 独り言学習の効果
独り言学習の最大の効果は
「持ち合わせの英語でなんとか表現する力」が身に付く
ことです。
英語を話すために最も重要なことは何か?
それは、「思い浮かんだ日本語を、自分が知っている英語で表現できるように言い換える」ことだと、私は感じています。
そして、この「言い換え力」を独学で鍛えるのに最適なのが独り言学習なのです。
例えば、
「自転車で風を切って走ると気持ちいいね。」
という日本語が頭に浮かんだとします。
これを英語にして相手に伝えるとしたら、何と言いますか?
「風を切る」って何と言うんだろう…
こんなことをじっくり考えている暇は当然ありません。
ここで大事になるのが「言い換え力」。
日本語で表している細かいニュアンスを伝え切るのはスッパリ諦めて、自分の英語力が許す範囲で相手に伝えることが大事です。
「自転車で風を切って走ると気持ちいいね。」
↓
「自転車で速く進むと良く感じる。」
と言い換えれば、
“It feels good to go fast on a bicycle.”
などと、簡単な文法と単語だけで表現できます。
実は、日本語の「風を切る」に近い表現として、 “feel the wind” という英語があるらしいです。
でも、このようなマニアックな表現を全て覚えるのは無理ですし、覚えるのに要する苦労に比べて汎用性が低すぎます。
だから、「言い換え力」を磨くことが、英語を話せるようになるための近道なのです。
3.3 独り言学習の方法
それでは独り言学習の具体的な進め方をご紹介します。といっても、難しいことは何もありません。日常の中で心に浮かんだこと、実際に言ったこと。これらを自分なりに英語にします。
このときに大切なことは以下の3つ。
①できるだけスピーディーに訳す
②可能な限り口に出す
③表現が分からなくても、自分の力だけでなんとか言い切る
一つずつ解説します。
①できるだけスピーディーに訳す
頭に浮かんだ日本語を英語に訳そうとすると、しばしば次のような状態に陥ります。
「英語でなんと表現したら良いか分からない…」
「このニュアンスに適するあの英単語って何だっけ…」
これは当たり前のこと。日本語より英語の知識やボキャブラリーの方が圧倒的に少ないのですから。
ここでやってはいけないのが、適する表現を吟味したり思い出そうとしたりして、時間をかけて悩んでしまうこと。
実際に話すとなったら、そんなに悩んではいられません。
自分の英語力で間に合う程度の表現に言い換えて、正確性を犠牲にスピードを重視して発話してください。
②可能な限り口に出す
頭の中で考えるだけでも効果はありますが、できるだけ実際に声に出して言ってみましょう。文字通りの「独り言」です。
実際に声に出してみることには、
・頭の中で文を構築できた気になっていただけで、実は構築しきれていなかったことに気付ける
・英語を話すこと自体(発音、イントネーションなど)の難しさが分かる
・記憶の定着度がアップする
などの利点があります。
周りに人がいるなど、声が出せない環境の場合は、超小声で口をほんのちょっと動かして独り言を言いましょう。
英会話フレーズテキストの場合と同様、ともかく「声に出す」ことが大事です。
しつこいかもしれませんが、最終的な目標は「話すこと」であることを忘れずに。
③表現が分からなくても、自分の力だけで訳を完成させる
独り言を言おうとして、
「このニュアンス、どう英語で表せばいいんだろう…」
「この言葉を表す英単語を知らないな…」
となることも多いと思います。
このときにやってはいけないのが、すぐに「正しい表現」を調べること。
自分の思ったことを全て意のままに英語にできるようになるためには、とんでもない量の英語学習が必要になってしまいます。
私はそのことに気付かず、「知識を増やせば英語を話せるようになるはずだ!」と思い込んでいました。
だから毎日コツコツTOEICの勉強を重ね、英語の知識をインプットしていったのです。
結果、TOEICでは945点を取ることができました。
が、そのときに初めて気付いたのです。
TOEICの点数アップは、話す力の向上に直結しないと。
話せるようになるためには、ペーパーテストのような「正解」を求める姿勢を捨てることも必要です。
文法面、単語面でおそらく間違っている表現でも、「これなら何とか伝わるんじゃないかな~」というレベルの英語をとりあえず自分の知識だけで作ること。
独り言でこれを繰り返すことで次第に言い換える力が身に付き、より自然な英語が口から出てくるようになります。
4 まとめ
独学で英語を話せるようになるためには、
インプットとして英会話フレーズテキストを音読して決まり文句や便利な表現を学びつつ、
アウトプットとして独り言を言って、柔軟な言い換え力を鍛える
のがオススメです!
コツコツ続けて、英語が話せる自分になりましょう!